首都圏のアイヌの人たちを撮ったTOKYO アイヌ というドキュメンタリー映画を観てきました。
アイヌの人たちへのインタビューを主にして、衣類などのアイヌの伝統文化を継承している様子やイベントでの歌や踊りを記録しています。ところどころで歴史が簡単な説明で判るようになっています。
ミミズを大切にするなど、自然と共生してきた文化だということが判ります。あの独特な文様のある服は、作るのに1年がかりだそうです。
日本人(和人)は、アイヌの人たちの土地を奪い、文化を奪って同化を強いてきました。北海道旧土人保護法という、信じられない名前を持った法律が廃止されたのは、やっと1997年になってからでした。2008年には国会において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議 」が全会一致で可決されましたが、映画の中では、一人のアイヌの人が謝罪の言葉がないと声を上げています。
首都圏には、5000人から1万人のアイヌの人たちがいますが、ほとんどがアイヌであることを隠して暮らしているそうです。今回の上映の後に、映画に出演した一人の女性が来てくれていましたが、親戚からはアイヌであることを公にしてほしくないと言われているとのことです。
映画の最後にアイヌ語で歌われた「アメイジング・グレイス」は素晴らしいものでした。この歌はアメリカ先住民族のチェロキー族が1838年の厳冬に 1900キロを徒歩で強制移住させられたときに、励ましあうためにチェロキー語で歌われ、現在でもチェロキー・ネーションの国歌とも言われているそうで す。
変わらなければいけないのは、日本の社会だと思います。八王子でも映画上映ができればよいですが、さしあたって政府に対する首都圏アイヌの要望への署名(アイヌウタリ連絡会)が12月31日までで呼びかけられているので、是非署名をお願いします。