2日目はダグラス・ラミスさんから。


沖縄ではよく、日本の0.6%の場所に、基地の75%があるということで不平等を表現する。反戦・平和の問題と次元が違うが、例えば、100人の小学生がいて、そのうちの一人が75個のランドセルを背負い、残りの99人で25個を背負っている状態と同じだ。

これに対する人びとの態度は、「過半数で決めた民主主義だから」とか、「ランドセル制度をなくす運動をしている」ということだ。ランドセルの重さを感じていない。ランドセルは、日米安保条約をほしがっている日本の人が背負うべきであり、日本の問題だ。

ある反戦・平和のベテラン活動家は、「基地を移設でなく廃止」、「最悪の場合は辺野古」というが、活動家が絶対言わない選択は、「普天間を横田 に」、「普天間を佐賀空港に」ということ。その地域の人たちは反対運動を起こすだろうというが、辺野古の人たちは2600日以上既に反対しているのだ。こ れは差別である。

4月25日の県民大会は、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」だったが、5月に沖縄タイムスや琉球新報、朝日新聞に掲載された意見広告 は、「普天間基地は撤去、米海兵隊は撤退を」というメッセージだった。これは、県外移設を言うなというメッセージに見える。

憲法9条を守る運動のニュースで、県民大会で民意が決まったと言っているとき、「普天間基地即時撤去」というスローガンを掲げていた。それを見て同じ運動を担っている沖縄の人が怒っていた。県外移設を聞かなかったふりをしているということだ。

日本での世論調査では、憲法9条を変えないことと、日米安保支持は、それぞれ多数を占める。しかし、9条の運動は、安保のことに触れないようにして いる。安保反対といったら過半数を取れないという計算が働くからだ。この結果、沖縄では75個のランドセルが置かれたままになっている。この矛盾が崩れな いのは、沖縄が要石になっているからだ。

沖縄への旅行者で、かなりの人は平和運動として、基地を見る人も多い。その中の100人のうち一人でも日米安保反対の運動を始めれば、状況は変えられたはず。

1968年には安保に関係ないテーマであっても、安保粉砕のスローガンがないデモはなかった。今は、安保をなくす運動がないことはないが、ベテランが多く、若い人は少ない。身体を動かして反対している人は少ないのが現状で、いったい、いつまで待てばよいのだろうか。

本土に基地を持っていくということは、タブーだったが、最近は言えるようになった。ただし沖縄の中でも激しい議論になる。

今年できることは何かを考えることが大事だ。あまりよい例えではないが、停戦条約を交渉しているときに、世界平和をいってもうるさいだけだ。県外移設はランドセルをなくす運動にはならないが、不平等をなくすことはできる。

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ピョンヤンや北京から見ると、沖縄より九州の方が近い。なぜ沖縄に基地が集中するのか。


「ウシがゆく」(知念ウシ 著 沖縄タイムス社)は、ラミスさんお勧めの本です。

又吉さんや知念ウシさんがメンバーになっている、「カマドゥー小たちの集い」という普天間基地周辺に住む女性たちを中心としたグループが、5.16普天間基地包囲行動のときに作ったビラが端的で判りやすいと思いますので載せておきます。

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ビラの表紙

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ビラの裏面

日本本土のみなさんへ

「基地を県外へ」というのは、エゴですか? 「基地を県外へ」というのは、わがままですか?日本本土のあなたのエゴやわがままで、65年間も 基地を押しつけられているのです。あなたの地元で、沖縄に押しつけてきた基地を引き取る運動をしてください。今さら安保論議や抑止力論議をするまで待てな どと言わないでください。まずは基地を引き取ることです。グアムやテニアンへの移設も論外です。安保は日本とアメリカとの条約です。「国外」ではなく、あ なたの責任を担いなさい。

基地は県外へ=押しつけてきた基地を引き取りなさい

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二つ折りのビラの中は、沖縄の人たちに向けたメッセージ

沖縄からの宿題(3/4)

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