4日目、ツアーの最後の日に、案内してくれているホープさんのところで朝食をごちそうになりました。

P926318310ベーコン、ホープさんの育てたかぼちゃ、ブロッコリー、パンケーキなどホープさん手作りの朝食。写真に撮ってよいか聞いたところ、一瞬躊躇されたが許してくれた。

朝食の間、ホープさんの話が続きます。

USAtodayなどのマスコミは、米軍の悪いイメージを観光で払拭しようとしている。

過去、博物館を作って、チャモロの歴史ガイドを養成したことがある。教会の中にあったが、予算カットで閉鎖になってしまった。チャモロの人 たちは自分たちの歴史を知らず、若い人は祖先のことを知らない。グアム政府は歴史を隠そうとしている。学校教育が全てアメリカの教育になっていて、アメリ カの歴史を英語で教えている。

エンターテイメントとしてのチャモロダンスをしているグループは10-12あるが、チャモロの歴史を教えている。

ホープさんの話はさらに続きます。

本当の歴史の話を聞きたかったら、年取った人の話を聞かなければいけない。でも、いきなり話はできないので、子どもとスポーツ観戦をするとかバーベキューパーティの準備をするとかで、きっかけを作ってからになる。本当の会話があるところから変革が生まれる。

日本人は、祖先を敬う人だと思うが、チャモロの聖なるところに敬意を払わないとはどういうことなのか。祖先に敬意を払わないホテルに対してキャンペーンを張ろうとしたことがあるが、観光業に従事している人も多いコミュニティーで、孤立するから止めた。

グアムの知事は、大金持ちで、経済を牛耳っている。健康維持産業なども経営しており、健康診断を知事の関係のところで受けなければいけない ようになっている。チャモロの人は高い教育を受けたとしても、それに相応しいホテルの支配人になることはない。出稼ぎに来たフィリピンの人は終わったら本 国に帰る人が多いが、そのままグアムに残ってる人も出てきている。

軍の経済でなく、農業を発展させて持続可能にしたい。基地が返還されたら農地にしたい。例えば、米軍将校用のゴルフコースが基地の外にある ので、返してもらって農地にしたい。グアムの人は船が止まったら飢えることを知っている。農業者は、単一食物栽培をするなら、単一食物栽培にしか目が行か ず視野が狭くなっているので、意識を変えたい。

ホープさんは農業協同組合に所属していて、庭でできる農業をしている。鶏も6羽いて卵を産ませていた。今後、補助金をもらって、コミュニティーレストランを作りたい。

<ハイアットホテル>

ヨシノ ハヤトさんという人は、ホテル・ニッコーやハイアットホテルなど5つのホテルのオーナーで、ホープさんの友人でもあるそうです。

ホテルを作る時に昔の人骨が出てくるというホテル・ニッコーと同様の問題が、ハイアットホテルでもあり、ハイアットでは写真のような小さなモニュメントを作りました。ホテル・ニッコーに比べると小さく、もっとましな分かりやすいものにしてほしいと要望しているそうです。

ハイアットホテルにあるチャモロの人たちのモニュメント。

<キプハ>

チャモロのチーフ(リーダー)だったキプハは、スペイン人に教会を許してしまったので、あまりほめられた存在でもないのですが、チャモロの民族の象徴になっています。

キプハの像

20年以上前にワシントン政府に金をもらうのでなく、政府を正そうとしていたグアムのボダリオ知事は、FBIに嵌められて罪に問われてしまいました。連邦刑務所に収監させられる前日に、このキプハ像の前でチャモロの旗に身を包んで自殺しました。

<エンジェル・サントス>

エンジェル・サントスは、チャモロ人の権利のために闘った活動家で、2003年に44歳の若さで亡くなりました。グアムの英雄といってもいいエンジェル・サントスの記念公園があります。

エンジェル・サントスの言葉を刻んでいる。

“We cannot be passive or silent when human beings endure sufferings or humiliation. We must step forward and takes sides.  We must assist immediately.
At times we may fall. At times we make mistakes of failing to try.  Generations will come and generations will pass. But if no generation has the conscience, courage and the moral convictions to right the wrong doings of the past, then the next generation will have to live with the same injustices in the future.”

私訳してみました。

私たちは、人々が困難や屈辱に耐える時に受け身でいたり、黙っていることはできない。踏み出して味方にならなければいけない。すぐに支援しなければいけない。
時には、倒れるかもしれない。時には、試みないミスを犯すかもしれない。世代は移り変わる。しかし、過去の誤った行為を正す良心、勇気、道徳的な信条を持たなかったら、次の世代は同じ不正義に耐えなければいけないだろう。

グアムに米軍基地はいらない(グアムツアー報告(4))

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