2011年1月22日(土)アジア記者クラブの1月定例会。『なぜ民主党・菅政権が「小泉化」するのか 煽ったマスコミの罪と罰』という名前で、紺谷典子さんの話があった。

紺谷さんとしては、エコノミストとして常識で考えれば誰でもわかることを話しているという。


改革が日本をつぶしたと考えている。「平成経済20年史」という本を出版したが、本当は、「改革幻想」や「改革をやめれば日本はよくなる」という題名にしたかった。(日本が行ってきた)すべての改革は間違いだ。

例えば、細川政権の時に「政治改革」があり、2大政党になって政策論争になると言われてきた。しかし、問題によって意見はバラバラのはず。当時政治改革に賛成した人が、後から実は反対だったといわれたこともある。多党分立では何故いけないのか。

銀行は経営責任を問われたが、行政責任ではなかった。行政として、日銀や大蔵省銀行局が見張っていたはずだ。外資の銀行は預金者にとっての白馬の騎 士にもたとえられた。預金者の自己責任が言われたが、銀行の財務諸表を見抜けるはずはない。それほど自己責任をいうなら日銀や大蔵省はいらない。

住専問題は農協問題だと竹中平蔵らがキャンペーンをはった。もともと銀行は住宅ローンに冷たく、子会社を作って住宅ローンを扱っていた。それが金融 ビッグバンになり、銀行は金を貸している子会社の住専から優良顧客を奪い、代わりに悪い銀行の顧客を付け替えた。農協は住専に金を貸しており、それを引き 上げようとしたが、大蔵省銀行局長と農水省経済局長が住専をつぶさないという念書を書いたために、引き上げなかった。しかし、住専はつぶれ、農協は等分の 負担を求められた。結局、詐欺にあったのは農協で、詐欺師は大蔵省だ。

1989年末に株価は、3万8千円台だったが、1990年初日から下がり始めた。1992年には1万4千円台になっている。その間日銀は金利を上げ 続け、大蔵省は貸すなといっており、総量規制を続けてきた。これを正常化といっていたが、デブだからといっていきなり絶食させたようなものだ。保険や年金 は株や不動産で運用されるので、ほとんどの国民が株や不動産に関係がある。穏やかな川の上流でダムが決壊すれば誰も助からない。株価が正しいかどうかは誰 にも判らないが、株価によって経済そのものに影響がでる。

世界のGDPは、90年代~2003年のデータで世界は、6%の成長をしているが、日本は0.1%でしかない。日本の世界経済におけるシェアも17%から5%に落ちている。

バブルは、日常的に起こるが、本当の値は誰にもわからない。ジャーナリストは情報がもらえなくなるから書かない。

赤字といわれている年金や医療は本当は黒字だ。

年金では賦課方式なので、本来は積み立てが必要ないが、それでは年金額が決まらないので、他の国では予備費として数か月分から1年数か月分を持って いる。ところが日本は5年半分もある。マスコミは積立金として147兆としか言わないが、共済と厚生年金の代行部分が入っていないため実際には、230兆 あると推定される。逆に支払い額には共済を入れている。審議会の委員などは振り付けどおりに演技しているに過ぎない。

医療に関しては、政府管掌健保の医療勘定は赤字で、業務勘定は黒字だが、累積では黒字になっている。組合健保は中小組合は赤字だが、大きい組合は黒 字で、単純に組合数で平均すると赤字になるだけだ。現在、健保の掛け金には上限があるが、その上限をはずせば大きな収入になることを日本医師会が記者発表 している。

これらは全部財政改革のためだ。利息が増えると固定費が増えて、大蔵省の権限が狭まるため、改革をしている。財政赤字の原因は景気が悪いからで、景気を回復するためにやるべき公共事業をやっていない。いい政治家を探すことをしなければいけない。

1月22日 アジア記者クラブ定例会 『なぜ民主党・菅政権が「小泉化」するのか』

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