1月15日に、現代人文社から出版された前田朗さんの「平和力養成講座 非国民が贈る希望のインタヴュー」出版記念集会における斎藤貴男さんの記念講演を簡単にまとめました。


『「非国民」のすすめ』(2004年)を書き、小泉政権のときはいつも頭に来ていて、安倍政権の時は、それが頂点に達していた。そのあと数年間はテンションが下がってきていたが、今年になって久しぶりに非国民の血が騒ぎ出している。

菅直人が厚生大臣だったとき、薬害エイズ問題は熱心だったが、予防接種の副作用の問題には冷淡だったので、信用できないと思っていた。

今回の第2次菅政権は、TPPと消費税増税のための内閣だ。TPPも消費税も、弱い層への打撃となる。消費税については、逆進性が言われている。納 税義務者は事業者であり、「消費税ぐらいまけて」と言われてしまう、小さく力関係の弱い事業者が収める仕組みになっている。自殺者は現在でも3万人いる が、5万人にもなるのではないか。また失業者が増え、現在の5.1%は、8.5%以上になるだろう。

菅政権は、財界やアメリカなど強いものにへつらうと割り切ったのだと思う。排除される人は視野の外になる。会社勤めがいやなのでフリーで仕事をしようとしても生きていけないように、生き方も左右される時代になる。

全国紙5紙がTPPと消費税増税に同調しており、朝日新聞、産経新聞が足並みをそろえた。トヨタやキヤノンの事例があるように、TPPや消費税増税に反対すると広告が入ってこない可能性があるので、ジャーナリズムがおもねっている。

でたらめだけに侮れない。反対意見が出ても聞く耳を持たない。政策の良し悪し以前に血が通っていないのではないか。菅首相などは、「それでも左翼か」と週刊現代に書かれたが、何のために政治家をやっているのだろうか。

菅政権を見ていると、劣化した小泉政権のコピーのようだ。アメリカと一体の戦時体制であり、経済成長がすべてに優先している。税や社会保障に共通番 号制を導入するなど、思想、言論への統制強化を進めようとしている。消えた老人問題があったが、それを生み出さない社会を作るのではなく、解決手段にはな らない国民総背番号制を導入する理由にさせられる。経済成長は手段であって、目的ではない。

安倍政権時代の話になるが、イノベーション25戦略会議というものがあった。2025年には技術革新によって、日本中の町に防犯カメラ、顔認識システム、しぐさ認識、集音マイクを設置するという構想があったが、すぐそこまで来ているのではないか。

個人個人にあった広告を届けるなどができるような社会になり、我々自身が、監視社会の中で、利益を受けて一体になっている。GPSで位置が特定されたり、個人向けの広告に使われるので携帯電話も持っていない。


集会の司会は辛淑玉さん。他にいままで非国民入門セミナーで講師になった人が何人も参加していました。ちなみに全体で70数名の参加者のうち、携帯電話を持っていない人が10人以上いたのは驚きです。

肝心の前田さんの本の紹介を忘れていました。「平和力養成講座」は、いままで26回続いた非国民入門セミナーで、初期の8回分をまとめたものです。 まだ私は読み通していませんが、少し読んだだけでも知らなかったことが沢山あることに気が付きます。書店で購入してください。売れないと続編がでないとの ことです。

「平和力養成講座-非国民が贈る希望のインタヴュー」出版記念集会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です