別の記事を書く予定を変更して、PARC自由学校の「エコを仕事にしよう」クラスで、noanoa さん(エコ学 )が不参加だった回の様子を簡単に。ここでは、8月始めに行った非電化工房とアミタ株式会社が挑戦している森林酪農の話。(といっても、ブログに書こうと思っていなかった不十分なメモが頼りです。ご容赦ください。)

非電化工房は、通常は電化製品である冷蔵庫、掃除機、冷暖房、などを電気を使わずに実現しようという試みをしている工房です。また、森林酪農は、森林で牛を放牧して、下草を食べさせ、荒廃した里山を再生するなど地域で循環する自然産業を創ろうという試みです。

Ⅰ.非電化工房

私にとっては、去年に続き2回目となる非電化工房は、この間新しいものが出来たとの事で楽しみにしていました。

最初は、籾殻ハウス。空調を使わないために、断熱用にモミガラを90%使用しています。 ナイロンと鉄のバネを使って湿度を調整しているそうです。(参考:非電化籾殻ハウスの構造)

P807133210籾殻ハウス全景

P807133610中から非電化天窓換気扇を見たところ

次は、非電化風呂小屋。ホームページに非電化風呂小屋の構造がありますが、太陽電池の電気でポンプを動かしています。

P807135210非電化風呂小屋全景(手前の小屋)

P807135410私にとってはなつかしい五右衛門風呂

P807135510手回しの洗濯機。現役のようです。非電化洗濯機 のアイデアも掲載されています。

 

次は、バイオトイレ。分解のために微生物の力を利用しているが、冬は不活発になるため、太陽熱とその蓄熱剤(パッサーモ という商品)で大体50℃に保って、不活発化を防いでいます。そのほかトイレの水は雨水を使っています。

P807014210バイオトイレ全景。下に四角く見えるところで、分解させている。

非電化冷蔵庫 は、放射冷却の原理を使ったもので、空の澄み具合にもよりますが、結構実用的なもの。ポリエチレンのいわゆる「プチプチ」を使うと赤外線をよく通すので、放射冷却が進むとのことです。モンゴルでは、ヒツジの肉が腐らないようになって喜ばれているということです。

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生ゴミ乾燥装置 兼 ドライフード製造機 は、もともと生ゴミ処理機だったものをドライフードができるように改良したもの。生ゴミを乾かして、ふりかけができるそうです。風を通す工夫をし、赤外線 で加熱するために内側も黒く塗っています。太陽光は通すけれど、赤外線が外に出ない選択透過膜を使ったフィルムを使えば温度も上がるようです。

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そのほか、放物線を持つ太陽光オーブン?は40-50分で70℃になるので、牛乳の低温殺菌に向いているとのことです。ナイジェリアでは水を殺菌するにも使っているとのこと。


Ⅱ 森林酪農

事業として、持続可能な社会を作っていこうと試みているのが、アミタ株式会社(アミタグループ)です。森林酪農に挑戦している栃木県那須町にある「森林ノ牧場 那須」に行ってきました。

現在牧場があるところは、もともと荒廃した里山だったそうですが、そこに24時間365日牛を放牧し、森の下草や雑穀の残茎葉などで飼育していま す。単位面積あたりに放牧する牛の数も抑えて、ふん尿を自然循環できるようにしています。自然交配、自然分娩させ、通常飼育では4年ぐらいしか搾乳しない ものをここでは長期搾乳するのを基本としているそうです。

通常の飼育方法と比べると乳量は3分の1程度なので、できた牛乳の値段は高いものになっていますが、飲んでみると草の香りがします。参加者の中に今まで牛乳が飲めなかった人がいたのですが、この牛乳は飲めたので、みんな感心していました。(ブログ

P8081410n30口蹄疫がまだ終息していなかったため、長靴に履き替え消毒して牧場に向かう。

P808142710人には慣れている

P808143820 中央は雄牛で、他は雌牛。雄牛は1頭のみ。2頭以上では管理が面倒になる。

P808145710子牛たち

アミタ株式会社は、1977年にそれまで排出物から亜鉛の再資源化を始め、それ以来、いろいろな分野で循環型システムを作って来ているとのことです。森林 酪農も、従来は林業が成り立たなくなって森林が荒廃し、酪農も疲弊し、地域が過疎化・高齢化しているところを、林業と酪農を融合することによって、新たな 価値と自然産業を創り出そうと取り組んでいる事業とのとのことです。

 

(蛇足) 宿泊場所のゲル(モンゴル語。中国語ではパオ)(那須モンゴリアビレッジ

那須にある珍しいゲルに宿泊できるホテル。夕食には焼肉をいただき、馬頭琴のコンサートがありました。(もっとも私は買出しでした。)

P808139710ゲルが並ぶ

P807139310夕食

「愉しい非電化生活」と「森林に牛を放つ」

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